頭部打撲後に出血発症した脳動静脈奇形の治験例;病変の形態と衝撃に対する脆弱性に関する考察:病変の形態と衝撃に対する脆弱性に関する考察
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概要
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今回我々は, 頭部打撲後に初回出血した脳動静脈奇形 (以下AVM) の男児症例を経験した. 症例は9歳男性. 頭部打撲の3時間後より頭痛, 嘔吐および右半身の脱力が出現した. CTにて左前頭頭頂葉に径5cm大の脳内出血を認め, 意識レベル低下および右片麻痺の悪化を認めたため, 緊急で開頭血腫除去術を施行した. 術後意識清明となり, 右片麻痺も完全に消失した. 脳血管撮影にて, AVMを認めたため二期的に手術にて全摘出を施行した.頭部打撲後に, AVMの出血がみられた場合, それが外傷の衝撃で発生したものか, 自然出血かの判断は困難である. 本病変は前頭頭頂部の傍正中脳実質内において, 深部から表層にかけて存在しており, 外傷によるShear strainの影響を受けやすい形態をしていると考えられたので, 文献的考察を含めて報告する.
- 一般社団法人 日本脳卒中学会の論文
一般社団法人 日本脳卒中学会 | 論文
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