救命救急センターにおける非静脈瘤性上部消化管出血患者の治療成績
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概要
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【目的】非静脈瘤性上部消化管出血患者において搬入時間帯別と施行内視鏡専従医人数別に再出血,入院期間の差を検討すること。【対象と方法】対象は2007年から2011年までの間に救急搬送された非静脈瘤性上部消化管出血症例のうちヒータープローブ法で止血術を施行した150例。内訳は胃潰瘍94例,十二指腸潰瘍30例,マロリーワイス症候群11例,吻合部潰瘍6例,胃癌4例,その他5例。止血治療は,Forrestの内視鏡的出血像分類のtype Ia,Ib,IIaに対して血管の平坦化まで焼灼を続け,type IIbに対しては潰瘍底から凝血塊を剥離し,血管を認めた場合は血管の平坦化まで焼灼を行った。治療翌朝にsecond look内視鏡検査を行い,ほぼ全例に対して再焼灼し止血を確認した。搬入時間が平日の午前8時30分から午後5時までの日勤帯群と夜間・日祝日の時間外群に分け,年齢,搬入時の Glasgow coma scale,ショック指数,血液データ,Forrestの内視鏡的出血像分類,搬入から止血終了までの時間,輸血の有無,再出血の有無,入院日数に関して後ろ向きにコホート研究を行った。同様に複数名の専従医が診療を行った複数群と1名の専従医が診療を行った場合とを比較した。【結果】搬入時間別の比較では,搬入から止血終了までの時間が日勤帯群45.4±19.1分,時間外群70.0±34.4分と有意差を認めた(p<0.001)。一方,専従医人数別の比較では搬入から止血終了までの時間に有意差を認めなかった(p=0.058)。再出血と入院日数は,いずれの検討でも有意差を認めなかった。【結語】止血術の工夫により,時間外に搬入された場合や1名の専従医が対応した場合であっても再出血や入院日数の延長を抑えることが可能であった。
- 一般社団法人 日本救急医学会の論文
一般社団法人 日本救急医学会 | 論文
- Emergency Endovascular Repair for a Ruptured Abdominal Aortic Aneurysm Patient
- Degree of injury severity of the traffic accident autopsy cases.
- タイトル無し
- The Effect of Antithrombin III on Cytokine Production in Endotoxemic Rats.
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