Posterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)の5症例
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概要
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Posterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)は,頭痛,意識障害,精神症状,痙攣,視力障害(皮質盲を含む)を臨床症状とし,画像上,後頭葉・頭頂葉・側頭葉・基底核などを中心に浮腫性変化を来し,これら臨床症状や画像変化が可逆性であることを特徴としている。ほとんどの症例で高血圧を伴い,子癇,腎不全,免疫抑制剤,ステロイドなどとの関連性が報告されており,病理学的には血液-脳関門の破綻により引き起こされると考えられている。今回我々は,5例のPRESを経験した。全例女性で,平均年齢が33歳,5例中4例が周産期における発症だった。発症時には高血圧を呈し,頭痛,痙攣,視力障害を認めた。Magnetic resonance imaging(MRI)では,後頭葉,側頭葉,基底核の浮腫性変化が最も多く,1例に小脳および脳幹の浮腫性変化,1例に尾状核出血が認められた。浮腫性変化はapparent diffusion coefficient(ADC)-mapにて高信号を呈するものが多く,血管原性浮腫が主な病態であると考えられた。全例とも病初期にMRIを行い,PRESが疑われ,急速遂娩,降圧,痙攣のコントロールを含めた適切な治療を行うことによって良好な転帰が得られた。一般的にPRESの多くは,予後良好と考えられているが,診断の遅れや誤った治療がなされると転帰不良となる報告もみられる。特徴的な臨床症状および誘因を認めた場合,PRESを念頭に置き,MRIを中心とした画像検査を施行し,より早い段階での誘因の除去を含めた適切な治療を行うことが重要であると考えられた。
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一般社団法人 日本救急医学会 | 論文
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