APRVモードによる人工呼吸管理が有効であった重症肺挫傷を伴うフレイルチェストの一例
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概要
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重症の肺挫傷を伴うフレイルチェストに対し,気道圧開放換気airway pressure release ventilation(APRV)モードでの呼吸管理が有効であった一例を報告する。症例は63歳の男性。歩行中に乗用車と接触し受傷した。多発肋骨骨折・フレイルチェストを伴う大量血胸に対して,緊急開胸止血術を行った。術後,pressure support(PS) モードで人工呼吸管理を施行したが,PaO<SUB>2</SUB>/F<SUB>I</SUB>O<SUB>2</SUB> ratio(P/F ratio)は45 mmHgと重度の低酸素血症を示した。低酸素血症に対しAPRVモードで呼吸管理をしたところ,モード変更2時間後にはP/F ratio 175mmHgと著明に酸素化能は改善した。第3病日には更に改善し,多発肋骨骨折に対する肋骨固定術の施行が可能となった。その後,合併症なく経過し,第8病日には人工呼吸から離脱可能となった。本症例では外傷性急性呼吸窮迫症候群の状態に至っており,これに対してAPRVモードを用いることで虚脱肺のリクルートメントを行い,酸素化の改善につながったと考えられた。重症の肺挫傷を伴うフレイルチェストの急性期治療として,APRVモードによる人工呼吸管理は有効であると考えられた。
- 一般社団法人 日本救急医学会の論文
一般社団法人 日本救急医学会 | 論文
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