正中弓状靭帯圧迫症候群に伴う膵十二指腸動脈瘤破裂の1例
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概要
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症例は70歳,男性。主訴は腹部膨満感と腹痛。朝出勤途中に突然の腹痛と腹部膨満感を訴え,近医を受診。受診時血圧80/50mmHgと低値であり,超音波検査にて腹腔内出血を疑われ当院へ救急搬入された。緊急腹部造影computed tomography(CT)にて膵頭部背側に血腫と思われる腫瘤影を認め,3 dimension-computed tomography(3D-CTA)にて正中弓状靭帯によって圧迫され狭窄した腹腔動脈起始部が認められた。緊急腹部血管造影にて膵十二指腸動脈に動脈瘤を認めた。これらの所見より正中弓状靭帯圧迫症候群に伴う膵十二指腸動脈瘤とその破裂と診断した。マイクロコイルにて動脈瘤の塞栓術を施行し,術後経過は良好であった。膵十二指腸動脈破裂による出血に対する緊急治療は,安全性の面から塞栓術を第一選択と考える。動脈瘤の成因と考えられる正中弓状靭帯圧迫について,その圧迫解除の手術適応につき今後検討する必要がある。
- 一般社団法人 日本救急医学会の論文
一般社団法人 日本救急医学会 | 論文
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