重症頭部外傷を合併する下肢長管骨骨折に対する早期骨接合は酸素化能の悪化を防ぐ
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概要
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重症頭部外傷を合併する下肢長管骨骨折症例に対し,長期に直達牽引を行えば体位変換が制限され,無気肺や肺炎などを合併し,酸素化能の悪化を生じる可能性が高くなる。そこで下肢長管骨骨折の早期骨接合により酸素化能の悪化を防ぎ得るかどうかを検討した。1991年4月から2007年3月までの16年間に当センターに搬送され,骨接合が施行された直達牽引を要する下肢長管骨骨折症例は228例であった。そのうち頭部にのみabbreviated injury scale(AIS)3以上の外傷を合併し,胸部,腹部などにはAIS 3以上の外傷を合併しなかった症例は34例であった。そこから,受傷後24時間以降第5病日までに骨接合が施行された症例,第5病日に血液ガス検査がなされていなかった症例,低体温療法が施行された症例を除外した18例を対象とした。これらを受傷後24時間以内に骨接合が施行された症例(早期手術群)と第6病日以降に骨接合が施行された症例(後期手術群)に分け,両群間の第1病日と第5病日のPaO<SUB>2</SUB>/F<SUB>I</SUB>O<SUB>2</SUB> ratio(P/F ratio),およびそれぞれの群の第1病日と第5病日のP/F ratioを比較検討した。早期手術群は8例,後期手術群は10例で,年齢,injury severity score(ISS),頭部AIS,下肢AISに差はないと判断した。早期手術群の第1病日の平均P/F ratioは453.3 ± 56.6mmHg,第5病日の平均P/F ratioは405.9 ± 52.7mmHgであった。後期手術群の第1病日の平均P/F ratioは408.4 ± 71.9mmHg,第5病日の平均P/F ratioは305.1 ± 104.6mmHgであった。両群間の第1病日のP/F ratioに有意差を認めなかったが,第5病日のP/F ratioでは有意差を認めた(p<0.05)。また,それぞれの群の第1病日と第5病日のP/F ratioの比較では,早期手術群では有意差を認めなかったが,後期手術群では有意差を認めた(p<0.05)。なお死亡例はなかった。以上より,重症頭部外傷を合併する下肢長管骨骨折に対する早期骨接合は酸素化能の悪化を防ぐと考えられた。
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一般社団法人 日本救急医学会 | 論文
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