地方病院におけるdoor‐to‐balloon timeの短縮に関する検討
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概要
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<B>目的</B>:ST-segment elevation myocardial infarction(STEMI)の症例ではdoor-to-balloon time(DTBT)を短縮することが重要である。地方都市の 1 病院において 1 年間に緊急percutaneous coronary intervention(PCI)を施行したSTEMI症例のDTBTを調査し,DTBTの短縮方法を検討する。<B>対象と方法</B>:2007年 4 月から2008年 3 月の 1 年間に中通総合病院救急外来を受診し,STEMIの診断で緊急PCIを施行した18症例を対象とし,DTBTを調査した。また日中搬送例と夜間搬送例,心不全非合併例(Killip I)と合併例(Killip ≥ II),更にPCIのアプローチ部位別に橈骨動脈穿刺例と大腿動脈穿刺例において,それぞれのDTBTを比較検討した。<B>結果</B>:DTBT平均値は76 ± 13分であった。またDTBT90分未満であった症例が89%であった。日中搬送例(71 ± 11分)と夜間搬送例(79 ± 13分),心不全非合併例(Killip I)(79 ± 13分)と合併例(Killip ≥ II)(69 ± 13分),更にPCIのアプローチ部位別に橈骨動脈穿刺例(76 ± 14分)と大腿動脈穿刺例(77 ± 10分)と,それぞれのDTBTの比較検討では有意な差はなかった。<B>結語</B>:当院での2007年度STEMI症例のDTBT平均値は76分であり,初期及び 2 次救急医療を扱う地方病院としては,許容範囲内の結果であった。DTBTの短縮のために,迅速な診断のみならず,スタッフ呼び出しシステムの簡素化,心カテ室から救急部への検査結果のフィードバックなどが有効と考えられた。
- 一般社団法人 日本救急医学会の論文
一般社団法人 日本救急医学会 | 論文
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