わが国の救急医の過重労働についての検討考察
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概要
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社会的関心の高い問題であるわが国の救急医の過重労働を把握し,その対策を検討する目的で,国内の三次救急医療機関10施設に勤務する救急医78名(従来型救急医44名,交替制救急医34名)と対照である非救急医11名,計89名を対象に調査した勤務状況について検討した(2005年 1 月から 6 月にかけて実施)。従来型救急医は「日勤+当直+日勤」という勤務形態により平均32.8時間も拘束された長時間勤務が強いられ,勤務中の仮眠時間はわずか平均3.1時間しかとれていないことが判明した。その他の勤務状況(週あたりの勤務時間,日勤回数,当直・夜勤回数,休養日数)でも従来型救急医は他の医師に較べ有意に多く,過重な労働に従事していた(p<0.01)。交替制救急医が勤務する施設のなかには,医師数が少ないにもかかわらず救急医の過重労働が回避された施設が存在した。このような施設では,交替制勤務,診療業務の軽減化,その他に各診療科との連携支援や病院全体での救急医療への取り組みを認めた。産業衛生的に交替制勤務は健康面で問題視される勤務であるが,わが国の救急医の長時間労働の回避には必要であると考えられる。わが国の救急医の過重労働回避には,交替制勤務,診療業務の軽減化,病院全体による救急医療への理解と取り組みのほか,産業医や産業衛生スタッフの協力による医師の労務管理や健康管理も必要であると考える。
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一般社団法人 日本救急医学会 | 論文
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