鈍的腹部外傷により生じた大動脈解離(Stanford type B)の1例
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概要
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74歳の男性がオートバイ運転中に転倒し, 腹部を打撲。腹痛が軽減せず, 腹部CT撮影にてStanford B型の胸腹部大動脈解離が判明した。腹痛は翌日には消失し, 画像上解離腔の増大もなく, 臓器虚血症状も出現しなかったため第15病日に退院となった。しかし第81病日に腹痛が出現し, 腹腔・上腸間膜動脈分岐部の大動脈の真腔が拡張した偽腔により圧迫され, 狭小化していたため, 左総腸骨動脈-上腸間膜動脈bypass術を施行し, 術後は症状が消失し, 独歩退院となった。外傷性腹部大動脈解離は稀ではあるが, 見落とせば破裂や臓器虚血症状により死亡する可能性もある疾患であり, 注意深い診断が必要である。
- 一般社団法人 日本救急医学会の論文
一般社団法人 日本救急医学会 | 論文
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