特徴的な血行動態を呈し急激に悪化したVibrio vulnificus感染症の1例
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概要
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症例は60歳の男性。既往歴は特記事項なし。左上肢・右下肢の疼痛および紫斑出現したため近医を受診後に紹介された。来院時の血圧は138/100mmHg。体温35.5度。血液検査ではCRP 16.5mg/dl, CK 4,268U/lを示した。右下肢動脈造影像は, 膝窩動脈より末梢部の高度血管攣縮を示した。Swan-Ganzカテーテルによる血行動態は心係数低下・末梢血管抵抗上昇を示した。プロスタグランデインE1持続静注, 抗生物質投与, 持続的血液濾過透析などを施行したが効果なく, 四肢の紫斑および横紋筋融解は進行し, 来院約18時間後に死亡した。血液培養からVibrio vulnificus (V. vulnificus) が検出されたため, 本症例はV. vulnificus 感染による死亡と診断された。本症例は血管造影所見および経時的な血行動態から通常の敗血症性ショックとは異なり, 末梢動脈の高度血管攣縮による末梢循環不全が激烈な経過に関与したと推察された。
- 一般社団法人 日本救急医学会の論文
一般社団法人 日本救急医学会 | 論文
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