産科領域のDIC診断に対する急性期DIC診断基準の応用
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概要
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目的 : 急性期disseminated intravascular coagulation (DIC) 診断基準は産科領域のDIC診断に応用可能である, との仮説検証を目的として後方視的検討を行った。対象と方法 : 保存診療録から急性期DIC診断基準スコア算出に必要な血小板および凝固線溶系諸指標が測定されていた産科救急症例19例を対象とした。産科DIC診断基準スコア8点を産科DIC診断の至適診断基準 (gold standard) として, 急性期DIC診断基準の産科領域におけるDIC診断特性を検討した。結果 : 9症例が産科DIC診断基準8点以上を満たした。9症例全例が搬入日に産科DIC診断基準を満たしたが, その内8症例は産科DIC診断基準と急性期DIC診断基準がDICを同時診断した。急性期DIC診断基準は良好な感度 (94.7%) と特異度 (75.0%) で産科DICを診断し, その受信者動作特異曲線下面積は0.847 (標準誤差0.06, 95%信頼区間0.740-0.955, p=0.0001) であった。急性期DIC診断基準スコアと産科DIC診断基準スコアに有意の正相関を認めた (r=0.601, p=0.0001)。臨床病態およびDICと鑑別すべき病態を考慮すると急性期DIC診断基準の産科DIC診断感度は不変で特異度 (88.6%) が上昇した。結論 : 急性期DIC診断基準は高い感度で産科領域のDICを早期診断可能である。
- 一般社団法人 日本救急医学会の論文
一般社団法人 日本救急医学会 | 論文
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