飼料中のサルモネラ検査に用いる選択増菌培地の検討
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概要
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飼料中のサルモネラ検査に用いる選択増菌培地を比較し,RVとRVSは,飼料公定法のSCの代替培地として有用と判断した.1) RVとRVSに接種する前増菌培養液量は,選択増菌培地液量の1/100, 1/10いずれでも,各選択増菌培養液中のサルモネラ菌数は同レベルであり,サルモネラの分離を妨げるほどの競合菌の影響はなかった.2) 前増菌培養では,サルモネラのみを接種した場合に,サルモネラは108 cfu/ml 程度に増殖したが,大腸菌群が夾雑すると106 cfu/ml程度に増殖が抑えられた.3) 選択増菌培養では,SC,RVおよびRVSにサルモネラを接種した場合に,サルモネラは108 cfu/ml 程度に増殖し,HTTでは107 cfu/ml 程度に抑えられた.一方,サルモネラ以外の大腸菌群が夾雑した場合でも,選択増菌培養液中の総大腸菌群は107~108 cfu/ml となり,その大部分をサルモネラが占めた.4) 陽性試料による選択増菌培地の性能比較では,23検体中13検体(56.5%)がサルモネラ陽性と判定され,HTT, SC, RVおよびRVSの個別結果はすべて一致した.陰性と判定された10検体はDSE法でもサルモネラは検出されなかった.5) 飼料公定法の選択増菌培地とRVまたはRVSを用いた場合のサルモネラ検出結果は,RV比較用試料で2.1%(6/288検体)が陽性,RVS比較用試料で3.0%(12/404検体)が陽性と判定された.各選択増菌培地の個別結果に有意差はなかった(p<0.05).
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