骨梁間型骨転移を示し骨シンチグラフィ陰性であった胃癌播種性骨髄癌症の1例
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概要
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症例は68歳,男性.幽門狭窄を伴う前庭部胃癌の診断で入院となった.生検の病理組織は低分化腺癌で,CTでリンパ節腫大および遠隔転移は認めなかった.手術目的に入院したところ,6日目に口腔内出血と下血が出現し,血液検査でDICと診断した.腫瘍マーカーとALPが急増しており骨転移による骨髄癌症を疑ったが,骨シンチグラフィで集積がなく,骨髄穿刺はdry tapのため診断困難であった.腰椎MRIを施行したところ,椎体にびまん性の転移を認め,骨髄癌症と診断した.5FU/MTX療法による化学療法を開始してDICから離脱し,その後S-1+PTXに変更して一時退院可能となるも,初診より約5カ月半で永眠された.剖検で広汎な骨髄転移を認めた.骨髄癌症では,骨シンチグラフィでsuper bone scanを呈することが多いが,本症例では集積を認めず,MRIが診断に有用であった.このような病態は骨梁間型の骨転移に認められ,骨反応を伴わない急速な骨髄浸潤が原因と考えられた.
- 日本臨床外科学会の論文
日本臨床外科学会 | 論文
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