誤飲したビニールシートにより輸出脚通過障害をきたしたB‐II再建術後の1例
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概要
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症例は63歳,男性.21歳時,胃亜全摘術(Billroth-II法再建)を施行された.60歳時より糖尿病性腎症で血液透析を導入され前医通院中であった.腹痛,嘔吐にて前医入院となったが,腹部CT検査で腸管の拡張や閉塞は認められず,保存的治療を施行された.しかし胃管から多量の胆汁を含む排液が持続したため,精査加療目的に当院転院となった.上,下部消化管の精査では,器質的疾患は指摘されず,糖尿病性神経障害による腸管麻痺が疑われた.再び保存的治療を施行されたが,症状の改善はみられず,外科的治療目的に当科を紹介された.上部消化管内視鏡の再検で輸出脚に食物残渣様の貯留物を認めたため,内視鏡的に摘出したところ,巨大なビニールであり,摘出後に症状は改善した.高齢者や見当識障害のある患者の場合,異物誤飲の病歴が聴取されなくとも,その可能性を念頭に置いた内視鏡検査が重要であると考えられた.
- 日本臨床外科学会の論文
日本臨床外科学会 | 論文
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