平均的成人日本人ボクセルファントムの光子比吸収割合評価への適用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日本原子力研究開発機構(原子力機構)において新たに開発された平均的成人日本人男性(JM-103)及び女性(JF-103)のボクセルファントムは,体格及び臓器質量について成人日本人の平均的特性を有する。加えて,JM-103及びJF-103では,国際放射線防護委員会(ICRP)の2007年基本勧告において組織加重係数が与えられている臓器,組織がモデル化されている。本研究では,JM-103及びJF-103の光子比吸収割合の特性を検討するため,これらのファントムにおける甲状腺,胃壁,肺,リンパ節の比吸収割合を計算し,個人の医療画像を基に開発された他の成人日本人ファントムの値と比較した。その結果,JM-103及びJF-103と他のファントムの比吸収割合の間には,多くのケースにおいて数十%程度の差があった。これらの差は,主に臓器,組織,内容物の質量の違いに起因していた。それゆえ,JM-103及びJF-103の光子比吸収割合は,成人日本人に対する平均的な値であり,これらのファントムは,2007年基本勧告に基づいた,代表的な成人日本人に対する線量評価に利用できると考えられる。
- 公益社団法人 日本アイソトープ協会の論文
公益社団法人 日本アイソトープ協会 | 論文
- Improvement of a Gas Scintillation Proportional Counter
- Questionnaire Survey of SPECT Studies after the Supply Shortage of Tc-99m and Model Analysis Concerning Earnings and Expenditure of Generator Use
- 各種骨病変検出における臨床的有用性と医療経済効果に関する骨シンチグラフィと`18´F-fluoride PETの比較検討
- Combination of Sulfur Isotope Ratio of Non-sea Salt Sulfate and Lead-210 Concentration in Aerosols as an Index of Long-range Transported Aerosols
- 放射線生物学の動向