喘息死委員会レポート2011
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概要
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日本小児アレルギー学会・喘息死委員会宛に1989年から2011年10月までに気管支喘息があって死亡し登録された症例は新規登録3名を加えて236例で,対象外を除いた207例について解析した.男女比は127/80(1.6:1)であった.死亡場所は,年長になるほど学校内あるいは養護学校,下校時など学校が関与する症例が認められた. 死亡前1年間の重症度は,不明・未記入を除くと軽症28%,中等症29%,重症43%であり,発作重症化に関わる要因として,入院歴が52%に認められたが,意識障害を来すほどの重症発作,挿管,isoproterenolによる治療の既往は少なかった.喘息死に関与した要因では,予期できない急激な悪化,適切な受診時期の遅れが最も多かった.適切な受診時期の遅れを来した要因として,患者・家族による判断の誤りが多く,短時間作動性β2刺激薬の加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)やモーターネブライザーへの過度依存,怠薬の順であった.薬物療法について,1997年以前と1998年以降の死亡例を比較すると,キサンチン製剤とβ2刺激薬の内服,自宅でのネブライザー吸入,pMDIは減少し,吸入ステロイドは増加傾向にあるものの38%に留まっていた.また,β2刺激薬貼付剤や長時間作用性β刺激薬の使用が新たに認められるようになった.今回,欠損家庭について調査したが,全体の15%にのぼり受診時期の遅れを来す要因となったと推察された.
- 日本小児アレルギー学会の論文
日本小児アレルギー学会 | 論文
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