喘息死委員会報告 喘息死委員会レポート2008
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概要
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わが国の喘息死は減少傾向にあり,喘息死亡率も減少傾向にある.<BR>日本小児アレルギー学会・喘息死委員会に,2008年10月までに,小児気管支喘息があり死亡して登録された症例は222例で,そのうち喘息死の199例について解析した.<BR>喘息死亡例の登録は1996年頃から減少傾向にあり,近年は1~2例で推移しており,2008年に登録されたのは4例でそのうち喘息死亡例は2例であった.喘息死が急激に減少し始めた1998年以降と1997年以前を比較し解析した.<BR>喘息死亡前の喘息重症度は不明・無記載を除くと,軽症27%,中等症29%,重症43%で,重症発作に関連する既往歴は,入院歴を52%に認めるるものの,意識障害を来すほどの重症発作,挿管,isoproterenolを使用した既往歴は少なく,重症発作の既往歴や喘息重症度だけで喘息死のリスクをチェックすると,多くの症例が漏れることは明らかであった.<BR>喘息死に関与した要因では,予期せぬ急激な悪化,適切な受診時期の遅れが最も多く,次いで医療設備・人の不足,怠薬,薬物過剰が挙げられ,適切な受診時期の遅れを来した要因として,患者自身あるいは患者家族のの発作程度の判断の誤りが多く,次いで,短時間作動性β<SUB>2</SUB>刺激薬の定量噴霧剤(pMDI),モーターネブライザー(MoNe)への過度依存の順であった.<BR>上述で,1997年以前と1998年以降では大きな差を認める事項はなかった.<BR>死亡前の抗喘息薬による薬物療法は,1998年以降死亡例を1997年以前と比較すると,キサンチン製剤とβ刺激薬内服・自宅MoNe吸入・ pMDIはやや減少傾向となり,ICSはやや増加傾向にあるものの32%にとどまっていた.<BR>喘息死亡例の発症年齢,初診年齢と死亡年齢をみると,喘息死亡例の喘息発症年齢は0~3歳が多く,平均発症年齢は2.5歳で,死亡年齢は12~16歳が多く,平均12.2歳であった.喘息発症から喘息死のまでの期間は平均7.0年で0年が最も多かった.初診から喘息死までの期間は平均3.5年で,0年が95例と最も多かった.喘息発症から喘息死までの期間が明らかになった症例の死亡年齢をみると,発症から2年未満で死亡した症例(32例)は,死亡年齢が2歳以下の低年齢に多く,全当該死亡年齢症例の中に発症2年未満で死亡した症例の割合(%)をみると発症年齢が高くなるに従い低下するが,9歳以上での発症は数は少ないものの発症2年未満で死亡した症例の占める率が高かく,注意が必要である.
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日本小児アレルギー学会 | 論文
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