急性骨髄性白血病における末梢血及び骨髄液WT1 mRNAモニタリングの意義
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概要
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急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia; AML) 17例を対象に,骨髄液及び末梢血中のWT1 mRNA発現(Wilms' tumor gene 1; WT1)量を測定,末梢血と骨髄液のWT1量の相関性ならびに治療反応性との関連を検討した。未治療時にキメラ遺伝子mRNA発現が検出された場合は,WT1とキメラ遺伝子を並行して経時的に定量した。寛解導入療法前後の末梢血におけるWT1減少率は,寛解継続例が寛解後再発例に比べ減少率が高い傾向(p=0.09)を示した。同日採取した骨髄液と末梢血のWT1量に良好な相関性(R=0.87)を認めた。キメラ遺伝子発現が認められた4例では,概ねキメラ遺伝子発現量とWT1量は同様の推移パターンを示した。末梢血WT1は,微小残存病変(Minimal residual disease; MRD)を反映したリスク層別化による治療の可能性ももたらす,疾患特異的マーカーのないAML症例にも適用可能で検査に要する侵襲も少ないMRDマーカーであると考えられた。
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一般社団法人 日本血液学会 | 論文
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