rituximabにより血清病を呈した造血器腫瘍の2症例
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概要
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キメラ型抗CD20抗体rituximabの主な副作用はアレルギー症状であり,特に初回投与時に起こりやすいinfusion reactionは有名であるが,以降の副作用が問題となることは比較的少ない。我々は造血器腫瘍に対しrituximabでの治療を実施し,その後に血清病を呈した2症例を経験した。1例は原発性マクログロブリン血症,もう1例はSjögren症候群を有したMALTリンパ腫の患者であり,いずれの症例もrituximab中止及びステロイド投与により症状は速やかに改善した。造血器腫瘍の治療例に生じたrituximabの血清病の報告は世界的にも稀で発生頻度も低いと考えられるが,これまでの報告例と我々の経験した症例から,(1) rituximab単剤投与,(2) Sjögren症候群,(3) 投与前の多クローン性γグロブリン上昇,が危険因子となる可能性が示唆された。
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一般社団法人 日本血液学会 | 論文
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