再発性濾胞性リンパ腫に対するクラドリビン治療6ケ月後に発症した肺クリプトコッカス症
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概要
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再発・難治性の濾胞性リンパ腫に対して, クラドリビン投与後に肺クリプトコッカス症を認めた症例を呈示する。症例は72才男性。2003年1月に舌根部腫瘍生検にて濾胞性リンパ腫, grade1, 臨床病期IVAと診断された。R-CHOP療法を6コース施行したが舌根部腫瘤は残存し, 頚部に新病変が出現したためR-EPOCH療法を2コース施行したが効果は不変であった。2004年2月よりクラドリビン (0.09 mg/kg, 7日間持続点滴) を投与したところ, 4コース後に寛解を得られた。2005年1月に, 胸部CTにて右肺S10に2cm大の結節影を認めた。血中抗原測定および経気管支肺生検にて, 肺クリプトコッカス症と診断された。フルコナゾール200mgを連日投与し, 改善を認めた。その後, 再発リンパ腫に対して5コース目の同治療と放射線療法を施行しているが, 肺クリプトコッカス症の増悪は認めていない。クラドリビンは遷延する血液毒性が問題となっており, 肺クリプトコッカス症等の日和見感染症には十分注意する必要があると考えられた。
- 一般社団法人 日本血液学会の論文
一般社団法人 日本血液学会 | 論文
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