喉頭に発生したMALTリンパ腫
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概要
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喉頭原発のMALTリンパ腫と診断された25歳の女性症例について報告した。1年前から続く嗄声と増強する喉頭痛を主訴として耳鼻咽喉科を受診し,内視鏡下に左仮声帯部の腫瘤を摘出。病理組織検査ではcentrocyte-like cellが増殖の主体をなし,CD20(+), CD79a(+), CD5(-)で,CAM 5.2陽性を示す上皮細胞の間に腫瘍細胞浸潤を認めるリンパ性上皮病変も認められ,MALTリンパ腫と診断した。腫瘍細胞のDNAを検索し,IgH遺伝子の再構成を認めた。組織学的,免疫組織的,分子生物学的検索から喉頭原発のMALTリンパ腫と診断される症例の報告は稀であり,検索した範囲では,6例の報告があるに過ぎない。本症例のように稀な部位のMALTリンパ腫の治療に際しては,MALTリンパ腫を正しく診断し,注意深く臨床経過を観察しながら,必要に応じて二次発ガンなどのリスクの高い治療を行う適切なタイミングをはかることが必要と考えられた。
- 一般社団法人 日本血液学会の論文
一般社団法人 日本血液学会 | 論文
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