寛解導入療法後早期にRT‐PCRにより微少残存病変の消失が確認された8;21転座陽性低形成性白血病の2例
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概要
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症例1は42歳女性。1995年12月汎血球減少の精査目的にて入院。末梢血は汎血球減少を呈し,骨髄血では88.0%にミ***ペルオキシダーゼ陽性芽球を認め,骨髄生検上cellularityは5%と低下。染色体検査では8;21転座陽性,RT-PCR法(従来の方法に従い,35サイクル施行。理論上の限界感度は10-5である)にてAML1-MTG8再構成を認め,8;21転座陽性低形成性白血病と診断。Ara-C/VP-16少量持続療法1コースにて寛解に導入。地固め療法以後は通常のAMLに準じた化学療法を施行し,地固め療法2コース以後はAML1-MTG8再構成も消失。症例2は67歳男性。貧血精査のため当院紹介入院。末梢血は汎血球減少を示し,骨髄穿刺では41.5%に芽球を認め,骨髄生検上cellularityは20%と低下。症例1と同様8;21転座,AML1-MTG8再構成を認めた。Ara-C/VP-16少量持続療法2コースにて寛解に導入。以後症例1と同様に通常の化学療法を行い,地固め療法3コース以後AML1-MTG8再構成は消失。なお,2例とも3年寛解を維持。8;21転座陽性低形成性白血病に対し通常の化学療法を行い,遺伝子学的寛解を得た2例を経験した。
- 一般社団法人 日本血液学会の論文
一般社団法人 日本血液学会 | 論文
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