頭蓋内硬膜に限局した多発性髄外腫りゅうを形成した慢性骨髄性白血病
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は,64歳女性。1992年10月に慢性期のRh1陽性慢性骨髄性白血病(Ph+ CML)と診断され,Interferon-α, busulfan, hydroxyureaにて加療されていた。1993年5月18日急激な血小板数の減少,末梢血上好塩期球および芽球様細胞の増多とともに,骨髄所見上,芽球様細胞14%, 染色体分析にて46, XX, t(9;22;17)(q34;q11;q23)の付加染色体異常が認められた。同日よりVP療法(vincristine, prednisolone)を施行されたが,5月30日突然の意識障害をきたし入院となった。入院時頭部CT上左前頭葉,右側頭葉の高吸収領域とその周囲の低吸収領域を認め,髄液中に芽球様細胞の存在を認めたことから中枢神経系髄外腫瘤を伴うCMLの急性転化と診断し,再度VP療法を施行したが,第7病日に小脳ヘルニアのため死亡した。剖検所見にて,硬膜に限局した多発性髄外性腫瘤を確認した。
- 一般社団法人 日本血液学会の論文
一般社団法人 日本血液学会 | 論文
- 健常者ならびに播種性血管内凝固(DIC)例における血漿アンチトロンビンIII (AT-III)の抗トロンビン活性と抗原性の比較
- 新生児の凝固・線溶阻止因子の動態
- All-trans retinoic acid投与中に広範な脳梗塞を生じた急性前骨髄球性白血病
- C/EBPβのショートアイソフォームであるLIPはマウス移植モデルにおいてEvi1と協調作用して急性骨髄性白血病を誘発する
- 成人に発症したビタミンK依存性血液凝固因子欠乏に関する臨床的解析