さい帯血幹細胞移植を施行した急性骨髄性白血病(M1)
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概要
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5歳,男児の急性骨髄性白血病(M1)の1例に対して,HLA一致の臍帯血幹細胞移植を施行した。移植前処置はブスルファン,チオテーパ,シクロフォスファミドで行い,再発時移植のためGVHD予防は行わなかった。平成6年10月19日に臍帯血有核細胞数として2.45×107/kgを輸注した。移植後5日目よりrG-CSF 300 μg/m2を投与し,白血球は+18日に1,000/μlを超え,好中球は+20日に500/μlを,網状赤血球は+28日に20‰以上となり,+28日に施行したDNA制限酵素多型性(VNTR)で生着を確認した。血小板は+51日まで輸血を要し,+91日に5万/μlを超えた。急性および慢性GVHDの合併は認めず,+105日に白血病が再発し,+251日に再発のため死亡した。本例は国内で最初の臍帯血幹細胞移植例であり,GVHD予防を行わなかったにもかかわらず,GVHDの合併を認めなかった点で貴重な症例と思われた。
- 一般社団法人 日本血液学会の論文
一般社団法人 日本血液学会 | 論文
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