DICを合併した成人発症Still病に対するサイクロスポリンの投与
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概要
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症例は61歳男性。1986年より,高熱,皮疹,関節痛で発症し,抗生物質,ステロイドの投与により,一時的に改善を示したが,以後再発を繰り返した。1991年4月,汎血球減少,DICを伴い発症するが,ステロイドが反応せず入院となった。入院時,血液検査では,RBC 274×104/μl, WBC 470/μl, PLT 6.4×104/μlで,FBG 153 mg/dl, FDP 67.0μg/ml, FDP-D·Dimer 13040 ng/ml, TAT 60.0 ng/ml以上,PIC 10.3 μg/mlであった。成人発症Still病が疑われ,メチルプレドニゾロンパルス療法を施行するも効果なく,サイクロスポリン(CyA)を併用し,PLT, WBCの上昇,DICの改善が認められた。CyAは,本例のようなDICを合併したStill病様疾患に有効であり,DICの発症に免疫学的機序も関与することが示唆された。
- 一般社団法人 日本血液学会の論文
一般社団法人 日本血液学会 | 論文
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