悪性リンパ腫の化学療法中に発症し,interferon‐α使用でseroconversionしたB型肝炎の1症例
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概要
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46歳,男性。平成3年5月右扁桃腺腫大を指摘され,生検の結果悪性リンパ腫(瀰漫性大細胞型)と診断された。入院時肝機能は正常であったが,HB抗原抗体系の検索からHBの無症候性キャリアと診断された。Ann Arbor分類にてII期Aと診断,6月8日よりCOP-BLAM療法を開始した。7月2日よりGOT 286 IU/l GPT 392 IU/lと上昇し,DNAポリメラーゼ9462cpmまで上昇したため7月10日よりIFN-α 600万単位連日筋注を開始した。9月2日にはDNAポリメラーゼは0となり,9月17日にはHBeAbが陽性となりseroconversionを示した。9月4日よりprednisoloneを除いたCO-BLAM療法を施行し,完全寛解となり9月25日退院した。悪性リンパ腫の経過中B型肝炎無症候性キャリアの症例で化学療法中劇症化する例が多く認められている。そのため肝機能障害悪化例およびDNAポリメラーゼ上昇例は早期にIFNを使用しseroconversionをさせてから化学療法を継続する必要があると思われた。
- 一般社団法人 日本血液学会の論文
一般社団法人 日本血液学会 | 論文
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