通常型膵癌に対する術前化学放射線療法にてpCRを得たが肺再発を来した一例
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概要
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60代女性.背部痛を主訴に受診し,精査にて膵体尾部癌(径15mm,cT4N0M0 cStage IVa)と診断された.術前化学放射線療法(gemcitabine 1000mg/m2,50Gy/25Fr)施行後,膵体尾部切除術,及び,術後肝潅流化学療法(LPC:gemcitabine 600mg/body×4回)を施行した.病理組織診断ではpCRであった.膵切除後30ヶ月目に右肺S8に22mm大の腫瘤影を認め,膵癌肺転移(Adenocarcinoma)と診断された.全身検索にて局所・肝などに再発を認めなかったので,胸腔鏡補助下右肺下葉部分切除を施行した(膵切除後33ヶ月).しかし肺切除後5ヶ月で縦隔リンパ節再発・胸膜播種を合併し,膵切除後47ヶ月,肺切除後14ヶ月で原病死した.進行膵癌は潜在的systemic diseaseであることを踏まえた治療戦略が必要である.
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