膵異時性多発癌の1切除例―浸潤性膵管癌切除1年11ケ月後の残膵にみられた,浸潤性膵管癌の1例―
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は70歳の男性.2003年6月,高血圧にて通院中の近医で初めて肝機能異常を指摘された.精査にて膵頭部癌による閉塞性黄疸の診断で当院を紹介された.膵頭部の35 mm大の浸潤性膵管癌に対して,同8月に膵頭十二指腸切除術を施行し,組織診断は高分化型管状腺癌,T4(PV)N0, Stage IVaであった.その後,2004年5月頃からCEA,CA19-9が漸増し,画像診断にて精査を繰り返し,残膵の主膵管拡張が指摘されていた.その後も腫瘍マーカーの漸増は続き,2005年5月のCTにて初めて残膵の腫瘤を指摘され,残膵に発生したIPMT由来浸潤癌の診断にて同7月6日残膵摘出術を施行した.組織診断は高~中分化型管状腺癌,T4(PL)N0,Stage IVaであった.膵癌根治切除後の残膵に異時性多発性に第二癌が発見され,さらに根治的に切除されることは極めて稀である.
- 日本膵臓学会の論文
日本膵臓学会 | 論文
- 慢性膵炎に対する膵管ドレナージ手術の適応と予後
- 膵異時性多発癌の1切除例―浸潤性膵管癌切除1年11ケ月後の残膵にみられた,浸潤性膵管癌の1例―
- 膵粘液癌の2切除例
- 膵星細胞における壊死腺房細胞の貪食による膵線維化抑制機構の検討
- A case of remnant pancreas head carcinoma after distal pancreatectomy for primary invasive ductal carcinoma of pancreas body