術後の病理検査により診断されたMEN-I合併の膵内分泌腫瘍の1例
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概要
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52歳女性.CTで膵尾部と縦隔に腫瘤を確認し,膵切除.病理組織診断でNeuroendocrine tumor(NET)G1と診断,病理組織検査でMultiple endocrine neoplasia I型(以下MEN-I型)を示唆.それを機に,頭部MRI,下垂体・副甲状腺ホルモン検索,下垂体ホルモン負荷試験を施行し,下垂体腫大,PTH・TSH・ガストリン高値を確認.MEN-I型と診断.高Ca血症のため副甲状腺全摘後に自家移植を施行.下垂体腫瘍は随伴症状を認めず経過観察,縦隔腫瘤はフォローの胸部CTなどで自然消失し経過観察とした.MENは小中病院では,頻繁に経験する症例とは言えず,当院でも初診の段階で高Ca血症を呈しているにも関わらず,MEN-I型を鑑別診断に列挙できなかった.この症例の経験を機に,今後遭遇する可能性がある類似症例への対応を円滑にする目的でこの症例を報告することとした.
- 日本膵臓学会の論文
日本膵臓学会 | 論文
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