POPSが腫瘍進展範囲の把握に有用であった主膵管型IPMN(gastric type)の1例
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概要
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症例は61歳男性.3ヶ月で5~6kgの体重減少を認めたため近医で施行したCTにて主膵管の拡張を認め,精査加療目的で紹介となった.MDCT,MRCPでは体尾部主膵管の不整な拡張が認められ,EUSでは嚢状に拡張した主膵管内に多数の乳頭状結節が認められた.同結節はPOPSでは血管像を伴うイクラ状隆起として観察され,生検では軽度異型を呈するIPMNの診断であった.POPSを含む術前精査により決定された切離線に基づいて膵体尾部切除術が施行され,切除断端は陰性であり,最終病理診断は軽度~中等度異型を呈するIPMNであった.主膵管型IPMNは,術前に腫瘍進展範囲の把握が困難なことも多い.今回我々は,POPSを含む術前精査が腫瘍進展範囲の把握に有用であり,過大手術の回避に寄与した1例を経験したため報告する.
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日本膵臓学会 | 論文
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