消化管出血を契機に発見された腎癌術後膵転移の一例
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概要
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症例は58歳男性.13年前,右腎癌(RCC)にて右腎部分切除を施行(pT3a,N0,M0,pStage III).今回,タール便を主訴に受診.Hb 5.4mg/dlと高度貧血を指摘.上部消化管内視鏡検査で,十二指腸下行脚に1/3周性の2型腫瘍あり.潰瘍底の露出血管より出血認め,クリッピングにて止血.CTで,膵頭部に4個の高吸収性腫瘍を認め,腎癌術後膵転移の十二指腸浸潤の診断.膵以外に病変のないことを確認後,膵頭十二指腸切除術を施行した.腎細胞癌,膵転移症例の報告はこれまでも多数なされているが,有症状でかつ消化管出血であった症例は本邦より10例の報告と稀であった.消化管出血を伴う腎癌膵転移症例に対し,切除可能な場合,外科的切除を第一選択にすべきと考えられた.
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日本膵臓学会 | 論文
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