卵巣型間質を伴うMCNの臨床病理学的特徴と予後?日本膵臓学会多施設共同研究から?
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
目的:本研究はMCNの臨床病理学的特徴と長期予後について明らかにすることを目的とした. 対象と方法:多施設共同,後ろ向き試験で,病理学的に卵巣型間質を有すると判断された膵嚢胞性疾患のみをMCNと定義して集計し,その臨床病理学的所見と長期予後を検討した. 成績:156例がMCNと診断され集計された.156例の組織型の内訳は,腺腫129例(82.7%),非浸潤癌21例(13.4%),浸潤癌6例(3.9%)であった.平均年齢は48.1歳で,殆どの症例(98.1%)が女性であった.腫瘍は1例を除き全例が体尾部にあり,平均嚢胞径は65.3mmであった.主膵管との交通は18.1%(25/138)に認められた.MCNの術後3年,5年,10年生存率は各々,97.6%,96.6%,96.6%であった.腺腫と腺癌,微少浸潤と(高度)浸潤癌では生存率に有意差を認めた.癌と非癌の間に有意差が認められたのは,嚢胞径と結節の有無であった.
- 日本膵臓学会の論文
日本膵臓学会 | 論文
- 慢性膵炎に対する膵管ドレナージ手術の適応と予後
- 膵異時性多発癌の1切除例―浸潤性膵管癌切除1年11ケ月後の残膵にみられた,浸潤性膵管癌の1例―
- 膵粘液癌の2切除例
- 膵星細胞における壊死腺房細胞の貪食による膵線維化抑制機構の検討
- A case of remnant pancreas head carcinoma after distal pancreatectomy for primary invasive ductal carcinoma of pancreas body