Intraductal papillary mucinous neoplasm(IPMN)に併存しFDG-PETで高度な集積を示した膵腺扁平上皮癌の1例
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概要
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76歳の男性.皮膚黄染を主訴に近医受診,膵頭部腫瘍が疑われ紹介となった.腹部CT,造影MRIで膵頭部に内部が不均一に造影される充実性腫瘍と,膵内に数個の嚢胞性腫瘍を認めた.また肝S8に径8mmの腫瘍を認めた.FDG-PETで膵頭部腫瘍はSUVmax 15.6,肝腫瘍はSUVmax 7.56と高値であった.IPMNに併存した膵癌及び肝転移と診断し幽門輪温存膵頭十二指腸切除術と肝S8部分切除術を施行した.病理所見で膵頭部腫瘍は腺癌細胞と扁平上皮癌細胞が混在しており,扁平上皮癌細胞が全体の40%を占めていた.膵鈎部の分枝膵管上皮は乳頭状構造を形成しており,IPMNと癌部との連続性は認めなかった.また,主膵管上皮には乳頭状増殖変化は認めなかった.以上から分枝型IPMNに併存した膵腺扁平上皮癌と診断した.
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