複数本の十二指腸ステント留置が有効であった膵癌十二指腸閉塞の1例
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概要
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症例は80歳女性.切除不能膵癌に対して胆管ステント留置後に化学療法が施行されていた.第441病日に嘔吐のため入院した.上部消化管造影検査と内視鏡検査にて膵癌十二指腸浸潤による十二指腸閉塞と診断した.外科的手術に同意を得られず第457病日に十二指腸ステント留置術が行われた.早期閉塞のため第464病日に追加ステント留置を施行した.低残渣食摂取可能となったが,胆管炎併発したため,第485病日に経皮胆道ドレナージチューブを留置し退院した.第519病日にステント再閉塞のため再入院した.第535病日に追加十二指腸ステントを留置した.その際偶発症なく,水分摂取可能となったが,初診から第553病日に原病死した.末期膵癌患者十二指腸閉塞に対しても複数本の十二指腸ステント留置することによって,一時的に経口摂取が可能となった.患者のQOLに寄与でき,有用と考えられた.
- 日本膵臓学会の論文
日本膵臓学会 | 論文
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