肝転移再発に対する集学的治療により長期生存している破骨細胞型退形成性膵管癌の1例
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概要
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症例は50歳代の男性.CTで膵頭部に8×6cmの十二指腸内腔へ突出する腫瘍を認めた.上部消化管内視鏡で十二指腸下行脚に腫瘍の露出を認め,生検で平滑筋肉腫が疑われた.膵頭十二指腸切除術を施行し,病理組織学的に破骨細胞型退形成性膵管癌と診断された.術後に肝再発を来たしたが,化学療法とラジオ波焼灼,肝切除を組み合わせた集学的治療が有効であった.その結果,肝転移は治癒し新たな再発もなく長期生存を得ている.破骨細胞型退形成性膵管癌は根治切除によって長期生存例が報告されているが,切除術後再発例についての有効な治療法の文献は少ない.自験例では化学療法としてTegafur-Uracil,S-1,Gemcitabine hydrochlorideを用い,いずれも有効であった.再発病変に対する積極的な局所治療も長期生存に寄与していると考えられる.
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日本膵臓学会 | 論文
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