慢性膵炎に対し膵体尾部切除術施行後の膵炎再燃に対してPartington手術を施行した1例
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概要
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症例は46歳男性で,アルコール性慢性膵炎で通院中に膵尾部の仮性嚢胞と,嚢胞内に仮性動脈瘤を認めた.血管造影では仮性動脈瘤内に噴出する動脈波を認めコイリングを行ったが,膵炎の増悪を認めたため膵体尾部切除を施行した.術後徐々に主膵管が拡張し,膵炎症状の再燃がみられたため超音波内視鏡下に尾側拡張膵管のドレナージを試みたが不良であり,食事のたびに膵炎様症状を繰り返したため残膵の尾側拡張膵管と空腸の側々吻合術(Partington手術)を施行した.術後経過は良好で第10病日に軽快退院した.術後約1年5ヶ月経過しているが膵炎症状の再燃を認めず経過は良好である.本症例のように慢性膵炎で膵体尾部切除後の膵炎再燃に対してPartington手術を施行した報告はないが,積極的なドレナージ手術によりQOLの改善が得られると考えられた.
- 日本膵臓学会の論文
日本膵臓学会 | 論文
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