膵島移植における免疫抑制法
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概要
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膵島移植では,インスリン離脱するために2~3回の移植を必要とし,たとえインスリン離脱してもそれを移植後長期に渡って維持することが難しい.アロ免疫反応以外に膵島移植特有の免疫反応があるからである.まず,膵島が門脈経由で移植された直後に,補体,凝固,そして自然免疫反応によって血栓性及び炎症性反応であるInstant blood-mediated inflammatory reaction(IBMIR)が引き起こされる.次に,核内タンパク質が関与する早期拒絶反応も起こり,中長期的には,主な対象である1型糖尿病が自己免疫疾患であるため自己免疫の再発が起こる.移植成績の向上を図るため,これらの免疫反応から移植膵島を防御する方法が検討されている.免疫抑制剤については,ミネソタ大学から報告されたプロトコールが有望で,長期成績の改善が示唆されている.本邦でも,この方法を踏襲したプロトコールの導入が予定されている.
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