膵破骨細胞型巨細胞癌の術後9年を経て残膵に管状腺癌を発症した一例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
66歳,男性.平成11年,膵癌にて膵体尾部切除を施行し,組織型は類破骨細胞型巨細胞癌であった.経過観察中の平成20年2月にCA19-9の上昇を認め,PET/CTにおいて残存膵頭部の腫瘤及び同部位へのFDG集積所見より膵癌再発を疑われ,当院紹介となった.術前の造影CTにおける進展度はT4(TS2,CH(-),DU(-),S(+),RP(+),PV(+),A(-),PL(-),OO(-))N2M0,Stage IVbであった.膵頭十二指腸切除に臨んだが,開腹時に腹腔動脈周囲神経叢への浸潤を認め,切除不能と判断し,試験開腹で終了した(組織診断:tubular adenocarcinoma).その後はgemcitabineによる化学療法を施行している.本症例は膵破骨細胞型巨細胞癌の術後9年目にして管状腺癌(tubular adenocarcinoma)を発症した極めて稀な症例と考える.
- 日本膵臓学会の論文
日本膵臓学会 | 論文
- 慢性膵炎に対する膵管ドレナージ手術の適応と予後
- 膵異時性多発癌の1切除例―浸潤性膵管癌切除1年11ケ月後の残膵にみられた,浸潤性膵管癌の1例―
- 膵粘液癌の2切除例
- 膵星細胞における壊死腺房細胞の貪食による膵線維化抑制機構の検討
- A case of remnant pancreas head carcinoma after distal pancreatectomy for primary invasive ductal carcinoma of pancreas body