術前PETで高集積を示した若年男性の膵solid‐pseudopapillary tumor
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概要
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35歳男性.検診超音波検査で膵嚢胞性病変が疑われた.CTでは境界明瞭な造影効果を有する充実性腫瘍で,MRIではT1WIでlow,T2WIでややhigh intensityで拡散能低下を示した.positron emission computed tomography(PET)では,腫瘍に一致して集積を認めた.膵癌の術前診断で膵体尾部切除術を行った.病理診断はsolid-pseudopapillary tumor(SPT)であった.SPTは若年女性に多く,被膜を有し,出血や壊死に伴う嚢胞性変化を特徴とする.本例は非典型例で術前診断が非常に困難であった.PETは強く悪性を示唆した.膵腫瘍の確定診断には近年US,CT,MRIに加えPETも重要視されるが,SPTのPET診断に関する検討は少ない.今回診断にPETを用いたSPTを経験したので,PET診断について考察し報告する.
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日本膵臓学会 | 論文
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