大腸イレウスを初発症状とした粘液産生性嚢胞性膵腫瘍由来の膵腺扁平上皮癌の1切除例
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概要
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症例は78歳女性で嘔吐,腹痛のため近医を受診し,腸閉塞を指摘され当院に紹介された.結腸脾彎曲部の狭窄部に連続した径8cmの嚢胞性腫瘤を膵尾部に認めた.膵癌の結腸浸潤に伴う腸閉塞と診断し,経肛門的減圧後に膵体尾部,脾,結腸,胃局所,左副腎合併切除を施行した.嚢胞壁には腺腫と上皮内癌が混在していた.上皮内癌から浸潤癌への移行像を呈し,さらに腺癌からの扁平上皮癌化を認めた.腫瘍は7割が腺癌で3割が扁平上皮癌であった.粘液産生性嚢胞性膵腫瘍由来の腺扁平上皮癌と最終診断した.大腸イレウスを初発症状とする膵癌及び粘液産生性嚢胞性膵腫瘍由来の膵腺扁平上皮癌はともに非常に稀である.患者は再発により手術から5カ月半後に癌死した.
- 日本膵臓学会の論文
日本膵臓学会 | 論文
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