自己免疫性膵炎の病理‐日本と欧米との違い‐
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概要
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自己免疫性膵炎(AIP)の臨床病理像は,本邦と欧米で異なることが指摘されている.本邦では,病理学的にlymphoplasmacytic sclerosing pancreatitis(LPSP)と呼ばれる病変がAIPと報告され,AIP/LPSPが臨床病理学的概念として確立されてきた.さらに今日では,LPSPはIgG4の異常を有することが明らかになり,IgG4関連硬化性疾患の膵病変と位置づけられている.一方欧米にはLPSPに加えて,idiopathic duct-centric chronic pancreatitisやAIP with granulocytic epithelial lesionと呼ばれる,本邦ではまれな病変が存在し,多くの報告でAIPに含められてきた.このことが,本邦と欧米の間でAIPの臨床病理像の違いを生む原因になったと考えられる.
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