長期予後からみた慢性膵炎の治療-内科vs.外科
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概要
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膵石症は,膵管内圧の上昇を引き起こし疼痛の原因となり,慢性膵炎の進行を促進する.膵石症に対するESWLは,結石破砕·症状消失効果が高く,重篤な早期合併症はなく,外科手術に比べて低侵襲であり,疼痛のある主膵管内結石の第一選択の治療法と思われる.一方,自然排石困難例では膵管口切開術などの内視鏡治療の併用が必要となり,主膵管狭窄に対する膵管ステント留置術は膵石再発予防に有用である.しかし,有症状で,膵管内の充満結石例,膵体部主膵管に狭窄がありその上流に結石がある例,十二指腸狭窄例などでは,当初から外科的治療を考慮したほうが良い.また,頻回に膵石再発や膵炎発作を繰り返し内科的に疼痛コントロールが困難な例では,内視鏡的治療に固執せずになるべく早期に外科的治療を選択する必要がある.外科的治療の安全性は術式の改良により高まっており,患者の経済的負担や社会生活上の問題,QOLなどを考慮した治療方針の策定が望まれる.
- 日本膵臓学会の論文
日本膵臓学会 | 論文
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