膵石症に対するESWLと内視鏡的治療の適応と限界
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概要
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体外衝撃波結石破砕療法(ESWL:Extracorporeal shock wave lithotripsy)の導入及び内視鏡的治療技術の向上により膵石の治療体系は大きく変化してきている.ESWLを第一選択とし,必要に応じて内視鏡治療を併用した有症状の膵石症145例の検討では,ESWLの結石破砕効果は95%に良好であり,内視鏡的治療を併用した結石消失効果は92%に良好な消失効果が得られ,疼痛の消失率は95%であった.治療に関する重篤な偶発症は認めなかった.平均4.9年の経過観察で膵石の再発または増大は27%に認めた(完全消失→再発24%,ほぼ消失→増大47%).膵炎の再燃は29例に認め,原因は72%が膵石の消失不良例(14%)または再発例(59%)であった.内科的治療困難な9例に対して外科的手術を行った.ESWLを第一選択とした膵石治療は,その治療成績と安全性からみて妥当であると同時に,内視鏡的治療のさらなる工夫によって膵石の完全消失率を高めることで,膵炎の再燃率を減少させ得ることが示唆された.
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