慢性膵炎に対する内視鏡的膵管ドレナージ術の治療成績
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概要
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【目的】当科における良性膵管狭窄に対する内視鏡的膵管ドレナージ術(EPD)について検討すること.【方法】慢性膵炎の治療目的にEPD施行後1年以上の経過観察が可能であった症例を対象とした.EPDは1)膵管ステント留置術(EPS):良性膵管狭窄で自覚症状をともない尾側の主膵管拡張がある症例を適応(67例)とし3ヶ月で交換,retrospectiveな検討の結果より交換時の膵管内超音波所見と,生活習慣の改善を参考に抜去した.2)経鼻的ドレナージ(ENPD):内瘻術では逆行性感染が危惧される症例(7例)を適応とし膵嚢胞の消失あるいは改善が得られた時点で抜去した.【成績】1)EPSの偶発症は逆行性感染,膵炎発作など17例に認めた.膵炎発作などで再挿入を要したのは15例であった.42例(62.7%)は留置中も抜去後も経過良好であった.2)ENPDにて嚢胞は全例で改善,追加治療を要した症例は認めなかった.【結論】偶発症,再治療の問題はあるがEPDは60%以上の症例で有効であり第一選択の治療になりうる.
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日本膵臓学会 | 論文
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