胆管癌との鑑別が困難であった自己免疫性膵炎の1例
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概要
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閉塞性黄疸で入院した68歳の男性.CTで総胆管下部に全周性の壁肥厚,内視鏡的逆行性胆管造影(ERC)で総胆管下部の狭窄を認めた.下部胆管狭窄部のブラッシング細胞診,胆汁細胞診では悪性所見を認めなかったが,血中IgGの上昇を認めなかったこと,腫瘍マーカーが異常高値であったこと,管腔内超音波検査(IDUS)で総胆管下部に内側低エコー層の全周にわたるやや不均一な肥厚像を認めたことから,胆管癌を疑い,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.切除標本の組織所見から自己免疫性膵炎(AIP)が疑われ,IgG4を追加測定したところ高値を認め,AIPと診断した.胆管癌との鑑別が困難であった下部胆管狭窄で発症したAIPの1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.
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日本膵臓学会 | 論文
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