MDCTによる再構成画像が術前診断に有用であったgroove pancreatic carcinomaの1例
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概要
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症例は78歳,男性.腹部膨満,嘔吐を主訴に前医を受診した.前医で行われた上部消化管内視鏡検査にて十二指腸の浮腫性変化と狭窄を認めたが,十二指腸粘膜生検にて悪性診断は得られなかった.症状が改善しないため,精査と加療を目的に紹介された.約1ヶ月後の当院で行った上部消化管造影および内視鏡検査では十二指腸下行部の著明な全周性の狭窄を認め,十二指腸粘膜生検にて腺癌の診断が得られた.MDCTで十二指腸壁に接する約30mm大のhypovascular massを認めたが,主膵管や総胆管の狭窄や拡張は認めなかった.以上より十二指腸癌が疑われたが,MDCTの再構成画像にて腫瘤がgroove領域に存在すること,血管造影で右胃大網動脈にencasementを認めることから,groove領域に主座を置く膵癌が強く疑われ,膵頭十二指腸切除術を施行した.術後病理では腫瘍はgroove領域から十二指腸側へびまん性に浸潤した膵癌と診断された.
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日本膵臓学会 | 論文
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