異時性孤立性直腸癌膵転移の1例
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概要
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症例は64歳の男性で,2002年6月に他院で直腸癌に対し超低位前方切除術を施行し(stage I),術後は当科にて経過観察していた.2004年6月には右肺S1転移に対して右上葉切除術を施行した.2006年7月のCTにて膵尾部に低吸収域を認め,当初は膵臓の炎症性腫瘤を最も疑い経過を見ていた.緩徐な増大の経過であったが,2007年4月のCTで膵腫瘍は明らかに増大した.ERCP施行にて膵管の途絶像を認め,擦過細胞診でclass Vとなり,膵癌の術前診断で同年6月に膵体尾部切除術を施行した.病理組織学的検討により前回の肺転移病巣と今回の膵病変の組織像は酷似しており,CK7, CK20による免疫組織学的検討により,ともにCK7陰性,CK20陽性で,直腸癌の異時性孤立性転移と判断した.術後12か月現在無再発にて経過観察中である.
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日本膵臓学会 | 論文
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