膵内分泌腫瘍の診断と内科的治療-4. 非機能性膵内分泌腫瘍-
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概要
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膵内分泌腫瘍は膵腫瘍全体の約1から2%を占める比較的まれな疾患である.ホルモンの産生·分泌の有無から機能性腫瘍と非機能性腫瘍に分類される.非機能性腫瘍は非症候性内分泌腫瘍とほぼ同義としてよい.非機能性内分泌腫瘍は膵内分泌腫瘍全体の50∼60%を占め,同時性に遠隔転移をきたす割合が60%と高率である.臨床的にはすべての非機能性内分泌腫瘍は遠隔転移をきたす可能性を持った潜在的悪性腫瘍と考えてよい.症状をきたさない非機能性内分泌腫瘍は診断,治療において機能性腫瘍とやや違ったアプローチが必要となる.有用な検査法として,血中クロモグラニンA測定,ソマトスタチン受容体シンチグラムがあるが,日本では保険適応がない.外科切除が望ましいが,根治切除ができない場合には,ソマトスタチンアナログ,インターフェロンα,化学療法剤,分子標的治療剤などを組み合わせて用いる.
- 日本膵臓学会の論文
日本膵臓学会 | 論文
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