日本における膵内分泌腫瘍の疫学
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概要
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日本における神経内分泌腫瘍(NET)の疫学,病態,臨床像,治療の現況などを把握するためNET Work Japanが2004年に設立された.まず2002年から2004年までの3年間の症例を対象に,専門施設において全国実態調査を実施した.次に,膵内分泌腫瘍の罹患数,発症率などを把握するために2005年の1年間に受療した患者を対象として,層化無作為抽出法を用い全国疫学調査を実施した.日本における2005年の膵内分泌腫瘍の年間受療者数は約2,850人,人口10万人あたりの有病患者数は約2.2人,新規発症率は約1.0人と推定された.人口あたりの発症率は米国に比べ高かった.平均年令は57.6才で男女比は1対1.6であった.検診で偶然発見された症例が24%に認められた.膵内分泌腫瘍発症と喫煙·飲酒との相関は認めなかった.MEN-1の合併率は膵内分泌腫瘍全体で10.0%であった.非機能性膵内分泌腫瘍では欧米に比較し低率で6.1%であった.本稿は日本の膵内分泌腫瘍に関する最新の疫学的データである.
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