汗中クロライド濃度の簡便な測定法の開発
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概要
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嚢胞性線維症(CF)および慢性膵炎におけるcystic fibrosis transmembrane conductance regulator(CFTR)の機能低下を簡便に診断するために,親指の指腹からの自然発汗のCl-濃度を測定する指先クロライド試験を開発した.左右の指先の同じ部位からの発汗量がほぼ等しいことを利用し,片側の親指からの発汗率をデジタル発汗計で測定し,対側の親指から採取した汗のCl-量を測定して,汗中Cl-濃度を求める.Cl-量の測定は,キャピラリー電気泳動法あるいは高感度Cl-電極のいずれを用いても,再現性よく測定することができた.健康正常人の汗中Cl-濃度は,平均38mMであり,年齢と相関した.高感度Cl-電極を用いれば安価に短時間に測定できるので,CFあるいは慢性膵炎が疑われる場合には,本方法を用いてCFTR機能を評価することが,早期診断に有用と考えられる.
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日本膵臓学会 | 論文
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